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櫻庭 俊
no journal, ,
福島第一原子力発電所の事故以降、環境中に放出された放射性降下物が問題となっている。中でも放射性セシウム(Cs)の分布とその生物学的な濃縮は国内で大きな関心を呼んでいる。Csイオンの生化学的な挙動、たとえばタンパク質との結合の挙動などをシミュレーションから調査するためには、またセシウム吸着高分子の設計などを行うためには、溶液中・タンパク質近傍のCsイオンの挙動を忠実に再現する、適切な力場を用意する必要がある。本発表では、現在知られているタンパク質用の古典動力学用の力場と互換性のあるCsイオン力場に対するベンチマークを行った結果を報告する。また、国内外の研究では、Csイオン-電子相互作用がCsイオン-タンパク質の相互作用に重要であることが指摘されている。本研究では、上記のベンチマークに合わせて、Csイオン-電子相互作用を既存パラメータに対し補整項として導入することを試み、結果を報告する。
米谷 佳晃; 河野 秀俊
no journal, ,
DNAと蛋白質の結合状態には配列特異的(Specific)と非特異的(Nonspecific)の2つがあり、DNA結合蛋白質は、この2つの状態を使い分けてターゲットとするDNA配列を探索する。細胞内で、蛋白質はDNAから離れて溶液中を移動し(3次元探索)、DNAに出会うとDNAに弱く結合する(Nonspecific binding)。ここから、DNAにコンタクトしながらスライドし(1次元探索)、ターゲット配列に到達すると強い結合(Specific binding)に切り替わると言われている。これまでにNMR構造解析によりSpecificとNonspecificの各結合状態に対するDNA-蛋白質複合体の立体構造が解かれている。しかし、このような探索過程のメカニズムを捉えるには、結合状態だけでなくそこからの遷移に対する知見が必要になる。本研究では、タンパク質ラックリプレッサーのDNA結合ドメインを対象にSpecificとNonspecificの各結合状態を初期構造として分子動力学シミュレーションを行い、DNAからタンパク質を解離させることにより、解離過程の構造変化と自由エネルギー変化を求めた。自由エネルギープロファイルをもとに両者の結合状態を識別できれば、DNA配列に対するタンパク質の結合特異性の予測も可能となると考える。